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2024年7月
 
「完き人の教えには、何ものかを弟子に隠すような教師の握り拳は存在しない」釈尊

 
お釈迦さま最晩年のお言葉。体調を崩され、涅槃が近いことを自覚した師に、いつも側につき従っていた弟子のアーナンダは最後の説法を請います。それに対してお釈迦さまは次のように仰いました。

「アーナンダよ。修行僧たちは私に何を期待するのか。私は内外のへだてなしにことごとく理法を説いた。完(まった)き人の教えには、何ものかを弟子に隠すような教師の握り拳は存在しない」

 覚りの智慧と慈悲をそなえたブッダには、握り隠して出し惜しみするようないかなる教えもないことを、お釈迦さまは厳しく諭されています。貴賤善悪、敵味方も超えて、あらゆるいのちに対して欠け目なく開示された教えが仏法なのでした。
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