top of page
2024年10月
 
「裏を見せ 表を見せて 散る紅葉」   
​                          良寛禅師
 

 こちらは良寛さん辞世の句として有名です。
 紅葉の葉に裏表があるように、人間にも裏表があります。社会生活を営む上で、私たちは外面を取り繕い、他人にはさらせぬ心を隠し合っているお互いではないでしょうか。

 しかし臨終に至ったとき、そこにはもはや裏も表もありません。裏も表も見せながら散る紅葉のように、良寛さんの心には「ありのまま」という安らぎがあったのかも知れません。 

 阿弥陀さまは、私の裏も表もご存知です。
​ 他人には心を見透かされたくないものですが、阿弥陀さまに見抜かれていることは安心です。私の底の底まで見抜いた上で「決して捨てない」と喚びかけて下さるのですから。

bottom of page