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聖典拝読
寺報『正法寺便り』に掲載した「聖典拝読」と、
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2024年8月
「蟪蛄(けいこ)は春秋を識らず、この虫あに朱陽の節を知らんや」
曇鸞大師
元は荘子の言葉で「蟪蛄」はセミのこと。夏の間だけ地上に現れ、秋を待たずに死んでしまうセミは春や秋を知りません。春や秋を知らないということは、自分が今夏(朱陽の節)を過ごしていることも知り得ないという意味です。
私たちは生きている今を知っているつもりでいます。しかし自分がどこから来てどこへ往くのか、我がいのちの来し方行く末を知らない私は、夏を知らないセミのように、実は今生きているということも本当に分かってはいないのかも知れません。
夏を知らずともセミが間違えることなく夏に羽化するのは、そうさせるはたらきがあるからです。自らのいのちのあり様を知らず、どこへ往くかも定められない私が、この度お浄土に生まれることができるのは、私のいのちを知り抜いた阿弥陀さまがいて下さるからです。
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